プラスチックの穴あけ加工とは、ドリルなどの工具を用いて、樹脂材料に円筒状の穴を形成する切削加工です。ボルト固定用の穴や位置決め穴、配線・配管用の貫通穴など、幅広い用途で用いられます。
樹脂は金属に比べて柔らかく加工しやすい一方、熱による溶け・変形、割れ、バリの発生といった特有の注意点があります。そのため、素材特性を理解したうえでの加工条件設定が重要となります。
穴あけ加工の特長
- 多様な樹脂素材に対応可能
POM、MCナイロン、アクリル、PEEKなど、用途に応じた樹脂材料への穴あけ加工が可能です。素材ごとに最適な回転数・送り条件を調整します。 - 高い位置精度・寸法精度
NC工作機械を用いることで、穴位置のズレを抑えた安定した加工が可能です。組立精度が求められる樹脂部品にも対応します。 - 他の切削加工との組み合わせ
フライス加工や旋盤加工と組み合わせることで、工程を集約し、精度と生産効率の両立を図ります。
主な穴あけ加工の種類
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ドリル加工:基本となる穴あけ加工
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座ぐり加工:ボルト頭を収めるための段付き穴
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皿穴加工:皿ネジ用のテーパー穴
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深穴加工:深さのある穴加工
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下穴加工:タップ加工前の下準備
用途や設計意図に応じて、最適な加工方法を選定します。
樹脂穴あけ加工で重視するポイント
- 熱による変形対策
プラスチックは切削熱がこもりやすく、溶融や穴径の乱れにつながります。回転数・送り速度を適切に管理し、安定した加工を行います。 - 割れ・欠けの防止
アクリルなどの硬質樹脂では、加工条件によって割れが発生する場合があります。素材特性に合わせた工具選定が重要です。 - バリの抑制
穴の入口・出口に発生しやすいバリを最小限に抑え、用途に応じて面取り処理を行います。
対応可能な材料
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POM(ジュラコン)
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MCナイロン
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PEEK
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アクリル
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PVC・PP・PE など
※素材に応じて加工条件を最適化します。
主な用途・加工例
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樹脂製機械部品の固定穴
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絶縁部品・軽量部品の穴加工
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治具・試作部品
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医療・分析機器向け樹脂パーツ
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精度が求められる組立用穴
まとめ
プラスチックの穴あけ加工は、単純に見えて素材特性への理解が求められる加工です。切削熱、割れ、バリといったリスクを抑えながら、用途に適した精度と仕上がりを実現します。素材選定や加工方法に迷われている段階でもご相談いただけます。プラスチック切削加工の一工程として、最適な方法をご提案いたします。